猫の免疫不全ウイルス(猫エイズ)
投稿日時:2011年9月30日 金曜日
猫の世界にも免疫不全ウイルス(人間で言うHIV感染ウイルス)があることを聞いたことがありますか?今回はこの猫特有の免疫不全ウイルス(FIVと呼ばれる)についてです。
猫たちの免疫不全ウイルス(FIV)は、初めアメリカで発見されました。猫のレスキューセンターの職員がエイズにかかった人間に見られるのと似た症状を発症した猫がいることに気づいたのです。発見以降、多くの研究がおこなわれ、この猫のFIVウイルスが実は人間のHIVウイルスにとても似ていることが分かっています。イギリスでは、猫人口全体の約7%がこのFIVウイルスに感染しているという報告もあります。人間と同様、猫のFIVも猫のエイズと呼ばれています。
このFIVウイルスは、猫の体内で免疫システムを攻撃します。その結果、色々な感染を防ぐために必要な白血球が減少します。しかしながら、このウイルスに感染した多くの猫は、他の猫と変わらない一生を送るとも言われています。
FIVに感染するとどういう症状がでる?
FIVに感染した猫は、他の猫とどこも見た目は変わりません。感染したばかりの時には、多少の熱っぽさや食欲不振などが見られることもあります。でもこの症状は短期間のもので、見過ごすことも多いでしょう。その後は、通常の健康的な生活を何年にもわたって送ります。高齢になると、健康の後退がみられ、食欲不振、発熱、無気力や体重の減少などがみられることがよくあります。また繰り返し風邪などの慢性的な感染症を起こしやすくなります。
FIVにかかりやすい猫は?
FIVは中年~高齢期の去勢されていない猫に一般的に最も多いとされ、若いうちに去勢することが大事であると言われます。これは猫の場合、感染の主なルートは猫同士の喧嘩であるためで、喧嘩の際、噛むこと(噛み傷)で、他の猫に感染します。感染した猫の唾液には多くのFIVウイルスが存在していることが分かっています。たった1回噛まれるだけで、感染するほどの量です。唾液に含まれるのなら、グルーミングで毛を舐めたり、餌の器を舐めている唾液からも感染するのか、と思ってしまいますが、実際にはこれは感染源としてあまり一般的ではありません。また、交尾自体で感染することよりも、交尾の際に相手を噛む行為の方が感染を広げやすく、ノミなどの虫による媒介もあまり一般的ではないと言われています。
感染を防ぐには?
去勢していないオスは、他の猫との喧嘩などが多く、FIVに感染していることが多いことから、去勢をすること、また外に出さず家の中で飼うことで、FIVの感染を大きく防ぐことができます。
FIVにかかると死んでしまうのか?
ある研究では、FIVにかかっている猫はFIVにかかっていない猫と同じぐらい長生きをするという報告があります。そのため、FIVにかかったからと言って、短命になるということではないようです。
人間にも感染するのか?
猫のFIVウイルスは猫にしか感染しません。そのため、あなたの猫がFIVに感染していたとしても、あなたに感染することはありません。基本的に、このFIVウイルスは猫特有のもののため、他の動物には感染しません。
FIVを予防するワクチンはあるのか?
残念ながら、今現在FIVを予防するワクチンは開発されていません。でも、世界中の研究者たちが必死に作ろうとしていることは確かです。
FIVに感染したら治療はどうする?
FIVの治療ははっきりとしたものがありませんが、人間のエイズにも効果のある薬が猫にも効果があると言われています。FIV自体の治療というよりも、実際は免疫不全になることによって起こる色々な病気や症状を治療することが最も重要と言えます。





